”スペイン人への共感が止まらない3つのワケ ” の ニュースから
”スペイン人への共感が止まらない3つのワケ ” の ニュースからの抜粋 です。
by 竹村 真紀子 IWCJ代表
~~~ シャイで英語下手など日本人と酷似!
朗らかな国民性で知られるスペイン人。シエスタが長く、夕食は21時からであるなど、日々ゆっくりと生活しているように思われがちだが、実は、非常に勤勉な国民性であるなど、意外な面が多くある。
驚くのは、ヨーロッパに位置しながら、英語が苦手な人が多いということだ。その理由がシャイ国民性だからと聞くと、親近感を抱く人もいるのではないだろうか。
スペインの話を聞くと、共通点の多い日本のこともよく見えてくるかもしれない。スペインの知られざる今について、スペイン大使館経済商務部のマリアデルコリセオ ゴンサレス=イスキエルド参事官に聞いた。

●気さくで親しみやすいが、実はシャイ
――スペインの人は明るく、朗らかというイメージですが、実際はどうですか?
確かにスペイン人は気さくで親しみやすい性格です。ビジネスでも日本ほどフォーマルではありません。ですが、スペイン人は意外とシャイなのですよ。
米国などではプレゼンテーションやスピーチがよく行われていますよね。私も米国に留学した時に「4分間、自分のことを話して!」「リーダーシップを発揮して!」と言われましたが、どうしていいかわからず、日本人の友人と一緒に困った覚えがあります。そういった教育を受けてきていないのです。
英語教育に関してもスペインの子どもたちは学校で週に3時間、英語の授業を受けていますが、街中で話しかけてみてください、若い子でもまったく英語が話せないことがあります。必須で英語を習ってきているにも関わらず、です。
――日本でもこれだけ英語教育をしても話せないことは問題になっていますが、英語と文法が似ているスペイン語の国で同じ状況があるとは知りませんでした。
話すための教育が行われてきていないのと、英語を知っていても使うことにシャイなのです。
スペインでは教育がこの何十年か変わらずに同じ方法で行われてきました。先生が教えて、生徒が聞くという方法です。最近は21世紀スキルの必要性が言われ、教育もプレゼンテーションなど表現することや、自信をつける方法に変わってきましたし、英語「を」学ぶのではなく、英語「で」理科や数学を学ぶというような教育も増えてきましたが、それでもまだ変化の途中です。
――スペイン人と日本人はよく似ていますね。
そうなのです。優しく、親しみやすいけれども、自己主張は強くなく、シャイなところなど、同じですよね。ですから、スペイン人は日本人のことがよく理解できるのです。
女性の社会進出が進んで家事分担になったのもこの25年ほどです。私の父などはスーパーの袋を持って道を歩くということは男性のすることではないと言っていましたが、今の夫婦は家事を分担しています。
●柔軟な働き方ができるので女性も働きやすい
――日本でも今、家事の分担が言われていますが、どのようにして変わったのですか?
25年ほど前から女性が大学に行って、働くようになったからです。女性も収入を得るようになって、男性よりも多いこともあります。出張も多いと必然的に夫が子どもの面倒をみなければいけません。
今では、企業で女性役員も多く、政府の中にもたくさんいます。日本では就業時間が決まっていて、その時間内はオフィスにいなければいけないということがありますが、スペインでは1日8時間ということさえ守っていれば、何時に来て何時に帰ってもいいのです。
ある1日は長く働いて、他の日を短く働くなど、1週間で考えることもできます。自分の状況に応じて、柔軟な働き方ができるので、女性が自分に合った働き方ができるということもありますね。
――託児所や保育園などは足りているのですか?
スペインでは十分施設があります。祖父母が近くにいれば、面倒をみることもあります。
――日本では今、グローバル人材が必要と言われますが、その教育はどうですか?
ほかの国を知るということに関してはヨーロッパの中でよいシステムがあります。ヨーロッパ各国に、学生は1年間手頃な学費で留学することができるのです。北欧の学生が温暖な気候を求めてスペインに来ることも多いですし、スペインの学生もヨーロッパ中に学びに行っています。
――そうした環境だと、ビジネスを行う時にヨーロッパ各国の状況を知っている人が多いということですね。
そうです。スペイン人は物事に柔軟に対応でき、適応能力が高いです。1980年代よりグローバル化が始まり、世界に恐れずにチャレンジします。輸送や交通プロジェクトの数では世界10位のうち、5つぐらいがスペインの企業です。
――スペイン人は長時間よく働くとも聞きます。最近は昼休憩を数時間とるシエスタの習慣も減ってきていると聞きますが、どうですか?
もともとシエスタがあった要因のひとつが、スペイン人が1日の中で2つの仕事を掛け持ちしていたからなのです。1930年代ぐらいは成長するために、たくさん働く必要がありました。朝まだ暗いうちから午前の仕事に行き、14時ぐらいに一度家に帰ってランチを食べ、シエスタで休憩をとって、16時ぐらいから別の仕事に出かけていたのです。
また別の理由としては、スペインの夏はとても暑いので、涼しいうちから働いて、いちばん暑くなる前に家に帰り、夕方になってまた涼しくなってから働きにでるということもありました。最近は2つ仕事を掛け持ちしなくなりましたし、朝早くから働く事もあまりなくなったので、シエスタの習慣も減ってきましたね。
――シエスタはお昼寝をして楽をするためではなく、朝早くから長時間働いているから必要な休憩だったのですね。スペインでは昼食、夕食の時間も遅く、1日を長く使っていますよね。
昔から、朝の仕事が終わって自宅に戻り、昼食をとるのが14時ぐらいだったので、今でもお昼は14時前後です。そして、夕食は21時以降ですね。外で食事をしようとしても21時より前に開いているのは小皿料理でアペタイザーを出すタパスぐらいである。21時すぎから食事をして、1時ぐらいまで食事をしています。
ビジネスディナーも21時もしくは21時半ごろから始まります。そうするとその時間まで仕事ができるので、仕事の邪魔をしないのです。と、言ってもビジネスディナーもビジネスのうちなのですけどね。
ビジネスディナーでは、慣れてくれば「家族は元気ですか?」など家族のことを聞くことは問題ありません。と、いうよりもスペインでは人としての親しみやすさを出したほうがいいのです。スペイン人は家族のことをとても大切にしているので、「お子さんはどうしているの?」「旅行はどこに行ったの?」というようなことは、よく聞きます。
●上司と食事には行かない
――日本では仕事とプライベートを分けている人もいるので、家族のことを聞かれるとプライベートなことだとよいイメージを持たない人もいますよね。
そうですよね。でも、スペインでは大丈夫です。もうひとつ日本と違うところは、上司とは食事に行かないことです。ビジネスディナーは行きますが、上司に誘われて飲みに行くということはしません。上司と食事に行くぐらいなら家に帰ります。
それと、夜出かけるのは家庭を持つまでです。家庭を持った人はビジネスディナー以外は同僚などとも食事をせず、家に帰ります。私の両親や周りの人もそうでしたね。
ちなみに若い人は21時から朝の3時、4時ぐらいまで遊び、そして最後にホットチョコレートを飲むのです。そうするとその後よく眠れるのですよ。
――遊んだ締めはホットチョコレートですか。日本のラーメンみたいですね。
そうですね。ただ、これは若い人なので、ビジネスパートナーとはしないでください。
●上司の意見を聞くだけでなく貢献することが求められる
――地域によって人の雰囲気は異なりますか?スペインと言えばフラメンコなど情熱的なイメージもあります。
日本でもそうかと思いますが、南の人の方が陽気で情熱的ですね。バレンシアの人などは明るく、北の人のほうがフォーマルです。フラメンコはアンダルシアなどの南のほうが盛んなので、北部出身の私は1年に1回見るか見ないかでした。普段の生活にフラメンコがあるということはありませんでしたが、南の地域ではもっと身近にあると思います。
どこの地域でも共通しているビジネスの行い方はあります。NOはNOと、とてもはっきり言うことです。ただ、その言い方もきつい言い方はしません。仕事ではリスクを理解しながらもチャレンジする人が好まれます。上司の意見を聞いているだけの人ではなく、アイデアを出し、貢献することがスペインでは求められます。
――そこは日本人が見習いたいところですね。
スペインは世界全体にチャレンジしているので、輸出が広がっています。日本への輸出も10年前と比べて2015年には倍になりました。日本からスペインへの投資も2014年に過去最大になるなど、関係はとても深くなっています。特に広がっているのが、化学分野や織物分野 、通信系ですね。
――ZARAなどは本当に人気ですよね。
そうです。ほかに日本で人気なのは、イベリコ豚ですね。飼育には2000年の歴史があり、森など広いところでストレスなく育て、自然のものを食べさせている特別な豚です。
今、スペインには200社以上の日系企業があり、スマートシティプロジェクトに参画しています。2015年の11月にバルセロナで開催されたスマートシティの会議には日本の主な都市から参加していました。スペインの都市では外観は伝統的なものを守っていても、ソフトの面でテクノロジーを使い、スマートシティになることができます。これからさらにヨーロッパや中東、南アフリカなど世界中に市場を広げて行くためにも日本と一緒にビジネスを進めて行きたいですね。
by 竹村 真紀子 IWCJ代表
~~~ シャイで英語下手など日本人と酷似!
朗らかな国民性で知られるスペイン人。シエスタが長く、夕食は21時からであるなど、日々ゆっくりと生活しているように思われがちだが、実は、非常に勤勉な国民性であるなど、意外な面が多くある。
驚くのは、ヨーロッパに位置しながら、英語が苦手な人が多いということだ。その理由がシャイ国民性だからと聞くと、親近感を抱く人もいるのではないだろうか。
スペインの話を聞くと、共通点の多い日本のこともよく見えてくるかもしれない。スペインの知られざる今について、スペイン大使館経済商務部のマリアデルコリセオ ゴンサレス=イスキエルド参事官に聞いた。

●気さくで親しみやすいが、実はシャイ
――スペインの人は明るく、朗らかというイメージですが、実際はどうですか?
確かにスペイン人は気さくで親しみやすい性格です。ビジネスでも日本ほどフォーマルではありません。ですが、スペイン人は意外とシャイなのですよ。
米国などではプレゼンテーションやスピーチがよく行われていますよね。私も米国に留学した時に「4分間、自分のことを話して!」「リーダーシップを発揮して!」と言われましたが、どうしていいかわからず、日本人の友人と一緒に困った覚えがあります。そういった教育を受けてきていないのです。
英語教育に関してもスペインの子どもたちは学校で週に3時間、英語の授業を受けていますが、街中で話しかけてみてください、若い子でもまったく英語が話せないことがあります。必須で英語を習ってきているにも関わらず、です。
――日本でもこれだけ英語教育をしても話せないことは問題になっていますが、英語と文法が似ているスペイン語の国で同じ状況があるとは知りませんでした。
話すための教育が行われてきていないのと、英語を知っていても使うことにシャイなのです。
スペインでは教育がこの何十年か変わらずに同じ方法で行われてきました。先生が教えて、生徒が聞くという方法です。最近は21世紀スキルの必要性が言われ、教育もプレゼンテーションなど表現することや、自信をつける方法に変わってきましたし、英語「を」学ぶのではなく、英語「で」理科や数学を学ぶというような教育も増えてきましたが、それでもまだ変化の途中です。
――スペイン人と日本人はよく似ていますね。
そうなのです。優しく、親しみやすいけれども、自己主張は強くなく、シャイなところなど、同じですよね。ですから、スペイン人は日本人のことがよく理解できるのです。
女性の社会進出が進んで家事分担になったのもこの25年ほどです。私の父などはスーパーの袋を持って道を歩くということは男性のすることではないと言っていましたが、今の夫婦は家事を分担しています。
●柔軟な働き方ができるので女性も働きやすい
――日本でも今、家事の分担が言われていますが、どのようにして変わったのですか?
25年ほど前から女性が大学に行って、働くようになったからです。女性も収入を得るようになって、男性よりも多いこともあります。出張も多いと必然的に夫が子どもの面倒をみなければいけません。
今では、企業で女性役員も多く、政府の中にもたくさんいます。日本では就業時間が決まっていて、その時間内はオフィスにいなければいけないということがありますが、スペインでは1日8時間ということさえ守っていれば、何時に来て何時に帰ってもいいのです。
ある1日は長く働いて、他の日を短く働くなど、1週間で考えることもできます。自分の状況に応じて、柔軟な働き方ができるので、女性が自分に合った働き方ができるということもありますね。
――託児所や保育園などは足りているのですか?
スペインでは十分施設があります。祖父母が近くにいれば、面倒をみることもあります。
――日本では今、グローバル人材が必要と言われますが、その教育はどうですか?
ほかの国を知るということに関してはヨーロッパの中でよいシステムがあります。ヨーロッパ各国に、学生は1年間手頃な学費で留学することができるのです。北欧の学生が温暖な気候を求めてスペインに来ることも多いですし、スペインの学生もヨーロッパ中に学びに行っています。
――そうした環境だと、ビジネスを行う時にヨーロッパ各国の状況を知っている人が多いということですね。
そうです。スペイン人は物事に柔軟に対応でき、適応能力が高いです。1980年代よりグローバル化が始まり、世界に恐れずにチャレンジします。輸送や交通プロジェクトの数では世界10位のうち、5つぐらいがスペインの企業です。
――スペイン人は長時間よく働くとも聞きます。最近は昼休憩を数時間とるシエスタの習慣も減ってきていると聞きますが、どうですか?
もともとシエスタがあった要因のひとつが、スペイン人が1日の中で2つの仕事を掛け持ちしていたからなのです。1930年代ぐらいは成長するために、たくさん働く必要がありました。朝まだ暗いうちから午前の仕事に行き、14時ぐらいに一度家に帰ってランチを食べ、シエスタで休憩をとって、16時ぐらいから別の仕事に出かけていたのです。
また別の理由としては、スペインの夏はとても暑いので、涼しいうちから働いて、いちばん暑くなる前に家に帰り、夕方になってまた涼しくなってから働きにでるということもありました。最近は2つ仕事を掛け持ちしなくなりましたし、朝早くから働く事もあまりなくなったので、シエスタの習慣も減ってきましたね。
――シエスタはお昼寝をして楽をするためではなく、朝早くから長時間働いているから必要な休憩だったのですね。スペインでは昼食、夕食の時間も遅く、1日を長く使っていますよね。
昔から、朝の仕事が終わって自宅に戻り、昼食をとるのが14時ぐらいだったので、今でもお昼は14時前後です。そして、夕食は21時以降ですね。外で食事をしようとしても21時より前に開いているのは小皿料理でアペタイザーを出すタパスぐらいである。21時すぎから食事をして、1時ぐらいまで食事をしています。
ビジネスディナーも21時もしくは21時半ごろから始まります。そうするとその時間まで仕事ができるので、仕事の邪魔をしないのです。と、言ってもビジネスディナーもビジネスのうちなのですけどね。
ビジネスディナーでは、慣れてくれば「家族は元気ですか?」など家族のことを聞くことは問題ありません。と、いうよりもスペインでは人としての親しみやすさを出したほうがいいのです。スペイン人は家族のことをとても大切にしているので、「お子さんはどうしているの?」「旅行はどこに行ったの?」というようなことは、よく聞きます。
●上司と食事には行かない
――日本では仕事とプライベートを分けている人もいるので、家族のことを聞かれるとプライベートなことだとよいイメージを持たない人もいますよね。
そうですよね。でも、スペインでは大丈夫です。もうひとつ日本と違うところは、上司とは食事に行かないことです。ビジネスディナーは行きますが、上司に誘われて飲みに行くということはしません。上司と食事に行くぐらいなら家に帰ります。
それと、夜出かけるのは家庭を持つまでです。家庭を持った人はビジネスディナー以外は同僚などとも食事をせず、家に帰ります。私の両親や周りの人もそうでしたね。
ちなみに若い人は21時から朝の3時、4時ぐらいまで遊び、そして最後にホットチョコレートを飲むのです。そうするとその後よく眠れるのですよ。
――遊んだ締めはホットチョコレートですか。日本のラーメンみたいですね。
そうですね。ただ、これは若い人なので、ビジネスパートナーとはしないでください。
●上司の意見を聞くだけでなく貢献することが求められる
――地域によって人の雰囲気は異なりますか?スペインと言えばフラメンコなど情熱的なイメージもあります。
日本でもそうかと思いますが、南の人の方が陽気で情熱的ですね。バレンシアの人などは明るく、北の人のほうがフォーマルです。フラメンコはアンダルシアなどの南のほうが盛んなので、北部出身の私は1年に1回見るか見ないかでした。普段の生活にフラメンコがあるということはありませんでしたが、南の地域ではもっと身近にあると思います。
どこの地域でも共通しているビジネスの行い方はあります。NOはNOと、とてもはっきり言うことです。ただ、その言い方もきつい言い方はしません。仕事ではリスクを理解しながらもチャレンジする人が好まれます。上司の意見を聞いているだけの人ではなく、アイデアを出し、貢献することがスペインでは求められます。
――そこは日本人が見習いたいところですね。
スペインは世界全体にチャレンジしているので、輸出が広がっています。日本への輸出も10年前と比べて2015年には倍になりました。日本からスペインへの投資も2014年に過去最大になるなど、関係はとても深くなっています。特に広がっているのが、化学分野や織物分野 、通信系ですね。
――ZARAなどは本当に人気ですよね。
そうです。ほかに日本で人気なのは、イベリコ豚ですね。飼育には2000年の歴史があり、森など広いところでストレスなく育て、自然のものを食べさせている特別な豚です。
今、スペインには200社以上の日系企業があり、スマートシティプロジェクトに参画しています。2015年の11月にバルセロナで開催されたスマートシティの会議には日本の主な都市から参加していました。スペインの都市では外観は伝統的なものを守っていても、ソフトの面でテクノロジーを使い、スマートシティになることができます。これからさらにヨーロッパや中東、南アフリカなど世界中に市場を広げて行くためにも日本と一緒にビジネスを進めて行きたいですね。
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